このHPで出てくる専門用語の簡単な解説コーナーです。
飛行機関係の事が全く分からない方にも、内容をご理解して頂けるように作成しました。
★アフターバーナー★
アフターバーナー(A/B)とは、ジェットエンジンの推力を増加させるために、エンジン後部に取り付けられている装置です。その仕組みは、エンジンから排出された排気ガスに、もう一度燃料を噴射して再度燃焼させることにより推力を増加させています。
主に短時間で増速させたり、超音速飛行することが要求される戦闘機や超音速旅客機などに装備されています。
アフターバーナーの使用により推力は、エンジンのみ使用時の推力の約30%〜100%増加させることができます。 その形状は、ジェットエンジンとほぼ同じ直径をした円筒の形状をしており、一見するとジェットエンジン本体との区別がつき辛い形状をしています(写真参照)。
アフターバーナー使用時は、排気ノズルから炎が見え(夜はもうロケットのようにはっきり見えます)ますが、逆に未使用時は、通常排気ノズルから炎は殆んど見えず、その差は一目瞭然です(写真参照)。
アフターバーナーの利点は、エンジン本体(特に前面から見た面積)を大きくすることなく、全長を延長するのみで推力を増加させることができます。
推力を増加する為にエンジンを大きくした場合、超音速で飛行しない旅客機などでは特に問題ないのですが、超音速飛行が要求される戦闘機などは、エンジンを胴体内(若しくはコンコルドのようにエンジンポッド内)に収納せねばならず、そうすると飛行機の胴体(前面から見た面積)も大きくなり、それにより飛行中の空気抵抗が大きくなり、また機体自体も大きく(機体重量の増加)なり、高速(超音速)飛行に向かない形状となってしまいます。
しかし、アフターバーナーを装備することにより、飛行機は超音速飛行に向いたスリムで軽量な機体のままで、且つ超音速飛行に必要な推力が得られるのです。
また、アフターバーナーで使用する燃料は専用の燃料ではなく、通常の燃料を使用するので、飛行機内に特別な燃料タンク等を必要としません。
逆にアフターバーナー使用においての不利点は、燃料消費量が、不使用時に比べて2〜4倍に増加することです。ちなみに私が操縦してきた機体の中でアフターバーナー付きエンジンを搭載していた航空機で、T−2(機体についてはAircraftページをご覧下さい)がありましたが、実際にアフターバーナーを使用してみて、T−2は一般的なアメリカ製の機体の戦闘機が装備するエンジンよりかなり小型ではありましたが、相当な燃料消費量でした。約4トン近くある機内燃料が、エンジンのみの使用だと約2時間くらいは持つのですが、アフターバーナーを使用すると、たったの30分足らずで全部消費してしまう程です。数値だけだとちょっとピンとこないと思われますので、これを身近なもので例えてみると、満杯に入れたお風呂の浴槽のお湯が、約2分で消費してしまうと思ってもらえると、その燃料消費量がどんなものか想像できるかと思います。(ただし、この例えはエンジン1基当たりの消費量の例えですので、エンジンが2基付いている飛行機の場合は、これの2倍の勢いで燃料を消費していきます。)
★参考写真★
写真をクリックすると拡大写真が見れます。
アフターバーナー付エンジン(F−15搭載)
写真の前方白矢印の範囲がエンジンで、その後ろの赤矢印部分がアフターバーナーになります。
アフターバーナー未使用時
アフターバーナーを使っていない時は、ノズル内からは炎は見えません。
アフターバーナー使用時
アフターバーナーを使用すると、ノズル内から炎が見えます。
日中はノズル内から炎が見える程度ですが、夜間はロケットのように炎がノズルから噴出したように見えます。