初の飛行訓練

これは、私がT−3で初めて訓練空域で飛行訓練を行った時のお話です。
飛行機の飛行訓練は、まず最初に訓練空域で失速訓練を行い、離着陸時に失速しそうになっても回復操作ができるように練習します。
初めての訓練空域での訓練だったので、半分教官のデモのような感じでしたが、一通り何とか訓練を終了し、教官に「じゃあ基地に帰るぞ。」ととっさに言われ、基地に帰投しようとしたときです。帰投時は、民間機が飛行する航空路を避けるため高度を下げて基地に帰ることとなっており、その時はスピンをすることで高度を下げていました。
ふと計器を見ると、高度を下げたことでタカンが受信できず、また周りが山だらけで自分の位置が分らず、基地がどっちの方向にあるのか私には全く分らなくなっていました。
右を見ても左を見ても同じような形の山ばかり。訓練前に地形慣熟飛行は行ってますが、特徴のある山があまりないためとっさには自分の位置を判読するのは相当難しく、「ちょっと。基地はどっち?」とあわめふためいている時に、教官が機首をおもむろに基地の方向に向け、「えっ!!、タカン受信できてないのに何で基地の方向が分るの?!」と私の頭の中は、完全にパニック状態でした。
その時は、「俺には飛行機の操縦はムリなのでは?」と思ったくらいでした。でも、多少内容に違いはあっても、最初はそんな風に感じる方もいるみたいです。実際、私がアメリカで飛行訓練をしていた時、初めてセスナで訓練を受けたある人に感想を聞いたのですが、その感想は、「自衛隊のパイロットは、あんなことをジェット機でしてたんですよね。どんな奴等だ。人間じゃない!!」とその時自衛隊パイロット(私も含む???)は、化け物扱いされてました。
参照:
 ・ タカン