パイロットへの道への第一歩

 戦闘機パイロットを目指し、航空自衛隊でウィングマークを獲得した私ですが、幼い頃は、バスに15分程度乗っているだけで酔ってしまう程物凄く乗り物酔いが激しい子供でした。中学の頃、先輩に飛行機好きな先輩がいたことで、飛行機に関心を持つようになりましたが、その時は乗り物酔いの事もあり、パイロットになろうとまでは全く思ってはいませんでした。
 しかし、ある時私の心境を急変させてしまう出来事が起きました。それは、ある休日に先輩と米軍基地の近くまで飛行機を見に行った時でした。その日は、全く飛行機は飛ばず、物凄く退屈していました。「もう帰ろうかなぁ」と思ったその時、1機の戦闘機が駐機場から出てきました。米海兵隊所属のF−4Sという戦闘機でした。私は、動いている戦闘機を実際に見るのはその時が初めてでした。その戦闘機は、私たちがいた滑走路端の反対側へタキシングし、数分後私たちがいる方に向かって離陸してきました。最初は米粒くらいの大きさだったのが、みるみる大きくなり、そのエンジン音も近づくにつれじわりじわりと大きくなり、離陸したかと思うと物凄いスピードで私の真上を通過し、通過した瞬間今までに体験したこともない程の轟音を残し、あっという間に空の彼方へ飛んでいきました。その時のアフターバーナーを炊いた時の排気口から見えるオレンジ色の炎と、胃袋の空気が振動しているのが感じ取れるくらいの凄まじい轟音は、今でも脳裏に焼き付いています。また、その時それ以上にその戦闘機に乗っているパイロットの事を想像して、パイロットになりたい(あれ程乗り物酔いで躊躇していたのはいったい何だったのだろう?)と強く思うようになりました。
 その時から私は、パイロットを目指し、高校卒業後航空自衛隊へ入隊し、パイロットの道へと踏み出して行きました。
参照:
 ・ ウィングマーク
 ・ アフターバーナー